消費者を守るための特定商取引法とは
悪質な勧誘によって消費者が被害を被らないように、発生を防止することを目的とした法律です。
略して特商法とも言われています。
特定商取引とは訪問販売や通信販売などの事で、特に消費者トラブルが発生しやすいため勧誘方法のルールを定めたり、クーリングオフなどの消費者を救済するため制度を作っています。
日々変化する取引の形態に合わせて、何度も改正を繰り返している法律でもあります。
令和3年に改正されたことについて以下で解説していきます。
通信販売の詐欺的定期購入商法対策
最近では定期購入だということを隠して消費者に契約させ、トラブルに発展する事案が増えています。
初回無料などの文言から定期購入を条件とし、解約するにも細かい条件があるといった手口が特徴です。
2021年6月16日の公布から1年以内に施行される対策として以下の点を定めました。
広告ついて表示の規制と罰則、定期購入ではないと思わせる表示によって申込みをした場合に申込みを取り消すことができる、通信販売の契約解除を妨害するような行為の禁止、適正な表示がなかった場合や契約解除の妨害行為に対して適格消費者団体が代わりに裁判を起こせるようになることです。
送り付け商法への対策
送り付け商法とは注文していないのに突然届いた商品に対して返品しなかったり、購入しない意思を示さない場合には商品の購入代金を請求してくるという行為です。
今までは送られた側が14日間保管した後に処分できるとされていましたが、改正により直ぐに処分できることとなりました。
こちらは2021年7月16日にすでに施行されています。
クーリングオフ通知のオンライン化
消費者救済のためのクーリングオフですが、今までは消費者が書面を送付する必要がありました。
しかしインターネットの普及などでオンライン上でクーリングオフの通知が可能になりました。
消費者には便利な一方で事業者としては、オンラインで対応するために体制を整えたり、電子書面のフォーマットを作成するなど手間がかかるともいえます。
2021年6月16日の公布から1年以内に施行されます。
契約書面送付のオンライン化
以前では通信販売のみオンラインでの契約書類送付が認められていましたが、改正によって他の取引方法に関しても消費者からの承諾があった場合に限りオンラインでの送付が認められました。
消費者の承諾が必要な背景としては消費者がオンラインに不慣れな場合に契約の内容が確認できないまま契約がされてしまう事を防ぐためです。
2021年6月16日の公布から2年以内に施行されます。
外国執行当局に対する情報
インターネットでの通信販売が普及する現在、海外事業者との取引が増えています。
このような場合、事業者の国の法律が適用されることもあり思わぬところで規制がかけられてしまうこともあるのです。
そこで外国の法律が適用される事業者に日本在住の消費者が被害を受けないようにするため、外国執行当局に情報提供を行うことができるようになりました。
2021年6月16日の公布から1年以内に施行されます。