携帯電話やスマートフォンの購入で、店舗によっては「頭金」が必要になる場合があります。頭金とは分割払いの最初に支払うまとまったお金です。しかし、携帯電話やスマートフォンの販売における頭金は一般的な意味と異なる場合があります。2020年11月に総務省と消費者庁が携帯電話会社に対して頭金が消費者に誤認を与えるとして注意・是正を呼びかけました。
スマートフォン購入の頭金は販売代理店の上乗せ料金
一般的な頭金については冒頭にもある通り、分割払いの負担を抑えるため最初に支払うまとまったお金です。しかし、販売代理店における頭金は異なります。
携帯電話会社の公式サイトに掲載されている販売価格にいくらか上乗せされているのです。しかし、月々の支払額は公式サイトと同じになっています。一般的な頭金だと月々の支払額は上乗せして支払った分、安くなるはずです。つまり頭金とは携帯電話会社の販売価格に販売代理店が上乗せしたお金で、この上乗せ分は販売代理店の利益になっています。
上乗せされる理由
頭金と称して上乗せしている理由は、販売代理店の収益の仕組みにあります。販売代理店はスマートフォンを1台販売しても得られる利益は数千円から2万円ほど。多くのスマートフォンを売らなければ利益にならない薄利多売の世界なのです。
スマートフォンが売れなくなると利益が確保できなくなります。そこで、販売代理店が赤字にならないために設定したのが頭金です。この頭金を値引くオプション加入もありましたが、外し忘れたユーザーが高額な利用料を支払う問題が発生し、総務省からの要請により禁止となりました。
頭金を支払った場合、取り返せるのか
頭金と称して上乗せ請求された場合、本来の販売価格より余計に支払っていることになりアウトです。販売代理店が明確に説明しているならともかく、虚偽説明や説明不足の場合、だましていることになります。
そのため、もしも頭金を支払った場合、携帯電話会社に問い合わせることで、場合によっては返金されます。しかし、一度支払った場合、取り返すには余計な手間や時間がかかってしまい大変です。
携帯電話市場での問題からこれまで何度も法改正を行ってきたので、頭金についても見直される部分といえます。
トラブルとならないために頭金と称して支払を求められた場合、意味を問いただし、納得できなければ別の店またはオンラインで購入手続きをしたほうがいいでしょう。